Category: 刑法の基本書

定番基本書、おすすめ・人気の基本書が上から並んでいます。
赤丸急上昇の注目の基本書も積極的に紹介しています。

刑法 山口厚

刑法

著:山口厚 版:有斐閣 2005.10
信頼できる教科書基本の確認一度勉強し終えた方の復習用刑法学のデトックス効果結果無価値論入門の礎石

刑法 山口厚史 一冊で刑法総論・各論をカバーする。判例を相当重視し、刑法学習に不可欠な基本的事項をコンパクトにまとめてある。法科大学院や法学部において刑法を学び始める人のための教科書で、入門段階から相当のレベルにまで理解を高めることを目的とする。
 結果無価値的ではあるものの、山口先生の独自説はかなり抑えてある。なんでも書いてある辞書的な本や学説の交通整理のような本が多いなかで、やや異色を放つ存在(良い意味で)。ハイレベルを維持したままこの1冊に刑法全範囲が圧縮してあります。学者の数だけ学説がありますので、どの本にするか迷ったら第一人者の山口先生のこの本でいこう。

刑法総論講義案 3訂補訂版

刑法総論講義案 3訂補訂版

著:裁判所職員総合研修所 版:司法協会 2007.9

 実務。いまどきの学会通説は東大系結果無価値論で、行為無価値ベースの本はなかなか良いのがない。ところが、この本は、裁判所書記官の研修用テキストだから、判例+実務を支配する伝統的な通説(行為無価値論的)の立場から一貫して書かれている。性質上、アカデミックな本ではなく最先端の議論にもほとんど踏み込まない。
 旧司法試験時代から受験生に人気があり、「書研」と呼ばれたり、「講義案」などと呼ばれるのがこの本である。頭の中が学説でパニクってる人におすすめしよう。最新判例等が追加されて、3訂補訂版となった。
*この本は、一般書店・アマゾンでの取り扱いがありません。都市部の大型書店、ネットでは、7&Yicon もしくは、BK1で取扱いがあります。リンクは7&Yにしてあります。

新版 刑法講義総論 刑法各論講義 第3版

新版 刑法講義総論 第3版

新版 刑法講義各論 第3版

著:大谷實 版:成文堂 総論:2009.4 各論:2009.5

刑法講義総論 大谷實刑法講義各論 大谷實 行為無価値論+結果無価値論。大谷説は旧司法試験時代から人気がある。結果無価値論なら前田、行為無価値論なら大谷というのがほとんど。行為無価値論ベースの基本書は、なかなか読みやすいものが見つからないので消去法的に選ばれてきたという面も否定できない。川端先生がたくさん本を出されているが司法試験基本書ガイドとしてはおすすめすることはない。
 純粋な行為無価値論は日本になく、大谷刑法もかなり結果無価値論的な発想をかなり取り込んでいる。 司法試験予備校等の推奨もあり、受験界通説か。横組み+2色刷。

刑法総論講義・刑法各論講義 前田雅英

刑法総論講義 第4版

刑法各論講議 第4版

著:前田雅英 版:東京大学出版会 総論:2006.3 各論:2007.1

刑法総論講義 前田雅英刑法各論講義 前田雅英 結果無価値論。構成要件をかなり実質的に判断するので、政策説といってよいのではないかという気もする。
 まず、学説の整理がすごい。多数の図表を用いた解説で、入り組んだ学説状況が理解できる。旧司法試験末期の択一試験対策バイブルとしても用いられていた(今となっては、複雑過ぎる学説問題の出題も考えられないが)。そして、判例分析が秀逸。裁判例が何を考慮要素とし、何を重視しているているのかが徹底的に分析されている。規範を丸暗記しようという読み方をするだけでは、膨大な暗記量が必要な少数説ということになってしまうので注意。
 改訂第4版では、記述・図表をわかりやすくし、最新判例をフォロー、一部重要な改説がある。横組み+二色刷。

刑法総論・刑法総論 山口厚

刑法総論 第2版

刑法各論 第2版

著:山口厚 版:有斐閣 総論:2007.5 各論:2010.3

刑法総論 山口厚刑法各論 山口厚 結果無価値論。重要問題を全て網羅し、判例・学説を詳細に分析した上で、自説を丁寧に解説する。他の追随を許さない山口刑法学の到達点が示される。総論が改訂されて第2版となり、「相当因果関係説の危機」と呼ばれる論点について客観的帰属論を実質的に採用する等、重要な改説がある。2色刷。
 山口説=学会通説と思われるが、刑法の世界は必ずしも通説=判例ではなく、なにがなんでも山口説で勉強しなければダメというようなものではない。どのような立場の学説であっても筋が通っていれば良い。

 山口説で勉強されている方には、「問題探究 刑法総論」「問題探求 刑法各論」をあわせて紹介しておきます。この本は、法学教室の連載に加筆して単行本としたものです。刑法の重要論点について、深く掘り下げる内容です。当時は山口説の問題意識が試験で問われているなどと評判でした。もちろん、今も昔も同じで、最先端の議論を追うより通説判例をマスターしろとも言われていました。山口説を勉強される方の副読本という位置づけでしょうか。

講義刑法学・総論

講義刑法学・総論

著:井田良 版:成文堂 2008.12

講義刑法学総論/井田良 前司法試験考査委員、井田良教授の著。行為無価値論の本格的体系書です。 【学説や判例に加え哲学・思想など刑法理論の源流まで視野に入れ、現代の刑法学を展開する。難解といわれる総論を扱いながらも、各論的な議論を巧みに挿入し、わかりやすい言葉と具体例を駆使した叙述で、深い理解へと読者を導く。】 

法律学講座双書 刑法総論・刑法各論 著:西田典之

法律学講座双書 刑法総論 第2版

法律学講座双書 刑法各論 第5版

著:西田典之 版:弘文堂 総論:2010.3 各論:2010.3
実況中継東大法学部実務を意識しつつ結果無価値を選択なら実直に各論諸問題を検討する良書

刑法総論 西田典之刑法各論 西田典之  結果無価値論。もともとが東大講義の録音テープ(+東大生のノート?)から起こして作られており、判例の引用や具体的な説例が非常に多く、とてもわかりやすい。西田先生の基本書では、先に登場した各論が名著と名高い。総論における鋭い学説の対立も、各論ではそれほど影響しないため、行為無価値論の人にも西田各論はおすすめ。
  各論に比べると総論を褒める人は多くない。

LEGAL QUEST 刑法総論・刑法各論 著:今井猛嘉 小林憲太郎 島田聡一郎 橋爪隆

刑法総論 (LEGAL QUEST) 2009.1

刑法各論(LEGAL QUEST) 2007.4

リーガルクエスト。

法科大学院既習者レベルへの到達を目指した有斐閣の新しい教科書シリーズ。基本概念、原理原則から解きほぐして具体的事例への適応能力(応用)の獲得までも目指す。

刑法 第3版 著:木村光江

刑法 第3版 2010.3 

 8年ぶりの前面改訂、第3版。

 総論と各論で1冊。木村先生は前田教授の弟子にあたります。学説がほぼ同じでありながら、コンパクトにまとまっているので前田刑法の高速復習用としても人気がある。

前田刑法は結果無価値ですが、結論の妥当性に重きを置いた政策説という色ももっています。判例の立場で自説をまとめている方も親近感を持てると思います。

刑法概説 総論・各論 大塚仁

刑法概説 総論 第4版

刑法概説 各論 第3版増補版

著:大塚仁 版: 有斐閣 総論:2008.10 各論:2005.12

刑法概説 総論刑法概説 各論 行為無価値論、団藤・大塚説。刑法の伝統的理論体系を説いた定番中の定番。判例理論とも親和性があり、一昔前の受験界では過半数以上がこの本を使っていた。今の予備校本も、もともとはこの本をベースにして作られている。
 平成の一桁年くらいまでは通説といえば団藤・大塚説であったが、今は「伝統的通説」と呼ばれるようになった。前田先生が試験委員になられて以降、受験界で団藤大塚説のシェア縮小。もはや改訂されないと思っていたが、2005年・2008年と版を重ねる。近年の法改正と判例動向をフォロー。硬派な基本書らしい基本書です。

刑法総論・刑法各論 佐久間修

刑法総論

刑法各論

著:佐久間修 版:成文堂 総論:2009.8 各論:2006.10

刑法総論 佐久間修刑法各論 佐久間修 いわゆる団藤大塚説の系譜を継ぐ。伝統的通説(行為無価値論)の立場からの体系書です。

刑法講義 総論・各論 伊東研祐 日本評論社

刑法講義 総論 (法セミ LAW CLASS) 

 

著:伊東研祐 版:日本評論社 2010.12.15

 

刑法講義 伊東研祐出版社による公式説明等

読者の事情を考慮した論述の内容と仕方とを、著者の長年の講義経験から追求。豊富な事例、充実した判例紹介で、初学者も具体的イメージを持って学習できる。刑法とは何か、刑法の基本原理に遡って考える、思考力・判断力が身に付く。新司法試験をはじめ、各種試験対策の基本書として必読。

 

 

 

法学セミナーでの連載がベースになっている、藤木英雄の系譜、行為無価値論の最先端。慶應ロー、旧司法試験時代には考査委員歴任。

 

3月中旬 各論もリリース予定です ISBN:978-4-535-51820-9

刑法総論の理論構造

刑法総論の理論構造

著:井田良 版:成文堂 2005.6

刑法総論の理論構造 著者入魂の30章。刑法理論の体系的構造を追究し、結果無価値論にレクイエムを奏でる一冊。
 行為無価値論の立場で書かれた良い基本書が見つけにくいので、行為無価値+試験委員の著作というだけでも存在意義がある。しかし、本書はそれだけにとどまらない凄みがある。結果無価値論をことごとく論破してゆくのだ。井田先生によると、「結果無価値論は、風呂の水と一緒に赤子を流してしまうようなもの」だそうで、どこに書いてあるかは読んでからのお楽しみ。一般的な概説書ではなく、論点講義の類に位置づけるのが良いと思う。 30章とはいえど、刑法総論の重要論点はほぼ網羅しており、いずれも試験での出題可能性が高いものということができる。
 決して通説とはいえない井田先生独自の見解も多く、内容も高度である。初学者がいきなりこの本を読み始めるのはおすすめできません。ある程度勉強が進んでおられる方には非常に面白いです。

刑法総論・刑法各論 曽根威彦(法律学講義シリーズ)

刑法総論 第4版 (法律学講義シリーズ)

刑法各論 第4版 (法律学講義シリーズ)

著:曽根威彦 版:弘文堂 総論:2008.4 各論:2008.9

刑法総論刑法各論 早稲田、結果無価値論。曽根先生は、司法試験委員を歴任されておられますね。

刑法総論・刑法各論 林幹人

刑法総論 第2版

刑法各論 第2版

著:林幹人 版:東京大学出版会 総論:2008.9 各論:2007.10

刑法総論 林幹人刑法各論 林幹人 新刊につきマーク。理論的な体系を重視する。
 法改正と最新の判例・学説を踏まえて、分かりやすい記述に徹すると同時に、総論各論ともに横組み化された。

 有斐閣担当編集者のコメント★林刑法学は首尾一貫した理論に基づいて展開されるだけに、読者を深く確かな理解へと誘います。法律に携わる学生や実務家はもちろんのこと、そのほかの方にも、裁判員制度を間近に控えた今こそ、総論・各論あわせてお読みいただき刑法の全体像を把握していただきたいと思います。

ハイブリッド刑法総論・刑法各論 松宮孝明

ハイブリッド刑法総論

ハイブリッド刑法各論

著:松宮孝明 版:法律文化社 総論・各論:2009.1

ハイブリッド刑法 松宮孝明ハイブリッド刑法 松宮孝明 新刊。法学部とロースクールを架橋する新しいテキスト。「Case」「Topic」「Further Lesson」などを使い、基礎から発展へとアクセントをつけてわかりやすく解説。総論と各論でクロスリファレンスの工夫。 立命館大の先生ですね。先に刊行されている同シリーズの民法が読みやすかったので取り上げました。松宮孝明先生は刑法総論講義第4版(2009.3)・刑法各論講義第2版(2008.3)も執筆されていますね。

刑法概説 総論・各論 山中敬一

刑法概説 1 総論

刑法概説 2 各論

著:山中敬一 版:成文堂 総論:2008.11 各論:2008.11

山中敬一 刑法概説山中敬一 刑法概説 新刊。司法試験委員を歴任されておられる先生で、いわゆる相当因果関係説の危機の問題について、ドイツ直輸入の客観的帰属論で解決を図る立場を取られていることで有名です。
 講義では、山口説は筋が通っていない。「山口説」に一本筋を通すと「山中説」になる!という持ちネタで笑いをとられるそうです。辞書のような驚くほど分厚い基本書を出されていましたが、こちらの新しい本は通読向きです。

刑法総論・刑法各論 斉藤信治

刑法総論 第6版

刑法各論 第3版

著:斉藤信治 版:有斐閣 総論:2008.5 各論:2009.3

刑法総論 斉藤信治刑法各論 斉藤信治 新刊につきマーク。斉藤信治先生も旧試験時代に司法試験委員をされていました。小柄なため、同じ中央大学の斉藤誠二先生との区別のため斉藤コマ先生と呼ばれ親しまれている。
 基本書の帯には、「おもしろい。わかる。できる。」と書いてあるが、この基本書はほんとうに面白い。事例を中心に解説していくという基本書では、一番最初に成功した本ではないかと思っている。最新刊はまだ読んでいないのですが、私が読んだ古い(といっても5年ほど前…)版では、殺人事件の事例に大物女優(古手川某)とかがでてきてました。学説の立場は、斉藤先生曰く「どちらかといえば結果無価値(本書はしがきより)」ということですが、きちんと通説に配慮して書かれています。

刑法基本講義‐総論・各論

刑法基本講義‐総論・各論

著:佐久間修 上嶌一高 橋本正博 版:有斐閣 2009.4

刑法基本講義―総論・各論 帯に短したすきに長し。コンセプトは「これ1冊で刑法がわかる!」であるが、記述が浅く不十分であるため「コンパクトな良書」という評価はできない。論点については「○○説からは~となる、一方で××説からは~となる。」両論を併記するものの結論しか書かれていないことが多い。これでは、一貫した体系の理解はできず、辞書としても使い物にならない。
 共著の基本書であるということ。いくら入門的な基本書であっても、体系的一貫性は大切。これは答案戦略上だけではなく、そもそもの刑法体系を理解するために大切だということも含めてのことである。一つの一貫した立場(判例・通説がよい)をまず押さえて、それとの対比で反対説を押さえるのでなければ刑法音痴になってしまうだろう。薄くまとめた本として、学部生を対象にしたものだとしても使い道が無い本のように思う。体系理解のための薄い本で探しているなら、司法協会の「刑法総論講義案」か山口先生の「刑法」がよい。辞書としては分厚い基本書か伊藤塾の試験対策講座でOK。