よくわかる民事裁判- 平凡吉(たいらぼんきち)訴訟日記 - 第2版補訂版

よくわかる民事裁判- 平凡吉(たいらぼんきち)訴訟日記 - 第2版補訂版

著:山本和彦 版:有斐閣 2008.8

よくわかる民事裁判 ―平凡吉訴訟日記  物語仕立て。民訴の基本書は面白くない。基本書の記述を切り貼りして整理した予備校本はもっと面白くない。その乾いた世界は「眠素」とも言われるほどである。この本には、訴訟に巻き込まれていく当事者や専門家(弁護士・裁判官)の心理までもが描かれているので、民事訴訟の世界が色鮮やかで具体的なイメージを伴ったものになるだろう。
 
 ~ある男性が荷物の整理をしていると、祖父(平凡吉)が書き残した一冊の「訴訟日記」なるものを発見する。その訴訟日記にそって物語が進行していくことになる。法律の素人である祖父が、借家の大家さんから立退きを迫られ、やがて訴訟に巻き込まれていく。大家さんと裁判外での紛争、訴状が届き、弁護士に相談、和解の試み、争点整理手続き、訴訟の流れ、判決を下す裁判官、そして…

 コメディー調で、最後まで飽きずに読むことができる。この本で民事訴訟手続きの大枠を身につければ、後々細かい知識の吸収率が違ってくるはずだ。入門書としてはずばりこれをオススメする。労せず手続の全貌をつかむことができ、同時に基礎知識も得られる。山本先生が書かれているので、内容への信頼も置ける。司法試験の勉強として民事訴訟を学ぶ人だけではなく、一般市民の方、法律の勉強でも始めてみようかという方、法学部を目指す高校生にもおすすめする。

 近年の司法制度改革をうけて改訂された第2版(2008.8補訂)。