刑法総論の理論構造

刑法総論の理論構造

著:井田良 版:成文堂 2005.6

刑法総論の理論構造 著者入魂の30章。刑法理論の体系的構造を追究し、結果無価値論にレクイエムを奏でる一冊。
 行為無価値論の立場で書かれた良い基本書が見つけにくいので、行為無価値+試験委員の著作というだけでも存在意義がある。しかし、本書はそれだけにとどまらない凄みがある。結果無価値論をことごとく論破してゆくのだ。井田先生によると、「結果無価値論は、風呂の水と一緒に赤子を流してしまうようなもの」だそうで、どこに書いてあるかは読んでからのお楽しみ。一般的な概説書ではなく、論点講義の類に位置づけるのが良いと思う。 30章とはいえど、刑法総論の重要論点はほぼ網羅しており、いずれも試験での出題可能性が高いものということができる。
 決して通説とはいえない井田先生独自の見解も多く、内容も高度である。初学者がいきなりこの本を読み始めるのはおすすめできません。ある程度勉強が進んでおられる方には非常に面白いです。