刑法基本講義‐総論・各論

刑法基本講義‐総論・各論

著:佐久間修 上嶌一高 橋本正博 版:有斐閣 2009.4

刑法基本講義―総論・各論 帯に短したすきに長し。コンセプトは「これ1冊で刑法がわかる!」であるが、記述が浅く不十分であるため「コンパクトな良書」という評価はできない。論点については「○○説からは~となる、一方で××説からは~となる。」両論を併記するものの結論しか書かれていないことが多い。これでは、一貫した体系の理解はできず、辞書としても使い物にならない。
 共著の基本書であるということ。いくら入門的な基本書であっても、体系的一貫性は大切。これは答案戦略上だけではなく、そもそもの刑法体系を理解するために大切だということも含めてのことである。一つの一貫した立場(判例・通説がよい)をまず押さえて、それとの対比で反対説を押さえるのでなければ刑法音痴になってしまうだろう。薄くまとめた本として、学部生を対象にしたものだとしても使い道が無い本のように思う。体系理解のための薄い本で探しているなら、司法協会の「刑法総論講義案」か山口先生の「刑法」がよい。辞書としては分厚い基本書か伊藤塾の試験対策講座でOK。