ケースブック刑法 第2版

ケースブック刑法 第2版

編:前田雅英 笠井治 版:弘文堂 2008.4

ケースブック刑法 刑法分野は学説が鋭く対立する、いわば百人百説状態だ。先生方の「仲が悪いから」というのは冗談であるが、法科大学院用に一冊の演習書をまとめることも難しかったようである。法科大学院が創設され、すでに授業や演習が始まっているのに、刑法のケースブックが存在しない状況が続いていた。
 各ロースクールではオリジナルレジュメ等を用いた演習が行われてきた。そうすると1期生~3期生では教授の力量に比例してロースクール格差が開いてしまったことだろう。ロースクールの課程を既に修了して受験に挑戦する人や、所属ロースクールのオリジナルレジュメがいまいちだと感じる人は、グループ学習や自主ゼミで本書をつかった手当を図りたい。
 弘文堂ケースブック刑法は、法科大学院における刑法の講義・演習で、刑事訴訟法の視座も自然に入り込ませる判例教材である。様々な論点を盛り込んだ設例を各講の冒頭に掲げ、それに続けて基本判例・関連判例の事実・判旨をコンパクトに整理してある。テキスト兼演習書で、総論と各論を合わせてこの1冊だから、消化しやすいと思う。