ゼミナール要件事実 1・2 大江忠

ゼミナール要件事実 1

ゼミナール要件事実 2

著:大江忠 版:第一法規 1:2003.7 2:2004.11

ゼミナール要件事実 著者は元司法研修所教官。第2巻では、現行司法試験(旧司法試験)の民法・民事訴訟法における過去の論文問題を素材に100題を作成。要件事実論の観点から、その構造を具体的に問題毎に示した名著。タイトル横本のアイコンをクリックしてください、はしがきが読めます。

 

ゼミナール要件事実 2 大江忠 はしがき

 法科大学院において履修内容とされる「要件事実論」は、従来、司法研修所においてその教育が行われてきた。それは、実体法と手続法の中間領域に位置し、 文字通り実務と理論を架橋する理論である。つまり、多様な事実関係の中から、一方当事者が求める法律効果を収めることが可能な訴訟物(権利ないし法律関 係)を定立し、その請求原因となる要件事実を拾い出し、次いで、他方当事者が主張・立証すべき抗弁事実は何かを考え、更に、再抗弁、再々抗弁等の攻撃防御 方法を検討してゆくものである。そして、この理論は、訴訟事件を処理する場合に直ちに必要となる技術であるが、一般に法律問題を処理する場合にも必要とな る理論的基盤なのである。

 さて、新司法試験の論文式問題は、事例解析能力、論理的思考力、法解釈・適用能力等を見ることを基本とし、理論的かつ実践的な能力の判定に意を用い、そ の方法として、具体的な事例を出題し、法的な分析、構成及び論述の能力を試すこととされる。そして、民事系科目の2問のうち、1問は、実体法・手続法間又 は民法・商法間にまたがる問題(「民事融合問題」)とすることが構想されている。そうすると、民事融合問題においては、少なくとも要件事実論の理解・修得 の程度を試すことがその一内容となることが想定されるのである。そして、要件事実論は従来の法学教育において取り扱われていなかったこともあり、その内容 について関係者の関心も高い。ところが、事例問題を要件事実論の立場から分析をした演習教材は、まだ少ない。

 そこで、本書は、主に司法試験の民法・民事訴訟法における過去の論文問題を素材として100題を作成し、要件事実論の観点から、その構造を具体的に示す ことを試みたものである。本書が「ゼミナール要件事実」同様、その続編として読者に受け入れられることがあれば幸いである。

平成16年10月  大江 忠