事例研究 刑事法Ⅱ 刑事訴訟法 著:井田良 田口守一 植村立郎 河村博

事例研究 刑事法Ⅱ 刑事訴訟法 

 

著:井田良 田口守一 植村立郎 河村博 版:日本評論社 2010.9

 

title 充実。2分冊。第1巻が刑法編で、1ページから380ページぐらいまで。第2巻の刑訴編(本書)が、380ページぐらいから始まる。2分冊とはいえ、1ページから始まらない本は余り見たことがない。両方買えというメッセージか(ー公ー;)

 

 出題可能性の高い(=講学上、実務上重要な)要点は網羅されている。事例を前提にして解説していくスタイルだが、シリーズの他の 科目とは違い答案はない。また、ロースクールの演習や期末試験の問題を集めてきて解説するものではない。解説したいことがまず先にあって、それを書くため に事例を工夫して作られている印象。

 

 

 


  具体的に少しみておこう。重要論点の問題の所在、規範とその意味、判例が明示的にまたは黙示的に示した考慮要素やあてはめのポイントなどを解説する。捜査、車を停車させて留め置く措置の適法性は、単に時間の長短だけで判断するのではない。ではどのような点に着目して具体的に判断するのか。現行犯逮捕の「現に」というのはどのように判断するのか。反復自白、毒樹の果実等の違法承継の話、密接関連性とか同一目的直接利用とか百選解説を読んでもよく分からないところ、結局どう考えればよいのか。当然のことながら、伝聞証拠、自白法則、訴因変更の可否要否等の重要論点ははずさない。主要なロースクールで扱う内容とダブる。規範定立をしたところ で話が終わる予備校本とは雲泥。

 

 判例集、百選解説、調査官解説、ケースブックなどをひっくり返してやっと分かった気になるような「なるほどそうか」という話があっさり書かれている。おまけに判断基準、考慮要素、キーワードなどが太字になっている。これをみれば君はにやけ顔を隠せないだろう。答案の書き方や、問題の解き方は解説されない。ヒントだけで解答のない参考問題も数問ある。このような事をとらえて、イマイチな本と言ってる人がいたら、そのまま放置プレイでそーっとしておこう。

 

 公式宣伝

 『事例研究』シリーズの刑事法。刑法・刑事訴訟法・実務の分野を横断した執筆陣による事例研究書。刑事法の基本的な知識・思考方法をしっかり修得でき、問題発見・解決能力を養い、実務と理論の架橋のあり方を学べる。
 待望の刑事法事例解説。長文の事例問題と、理論と実務を架橋し、判例の理論を重視した丁寧かつ最高水準の解説。発展問題や関連問題、コラムも充実。