「憲法上の権利」の作法

「憲法上の権利」の作法

著:小山剛 版:尚学社 2009.4

憲法上の権利の作法 注目。ドイツの憲法裁判所で熟成された「三段階審査」の方法で、憲法論の論じ方、論証方法を解説する。これは、いわば学者が論証マナーを教える本である。作法にかなった思考と論証をすることで、権利の特質、事案の特質に着目できるようになることだろう。
 しびれる一文をはしがきから引用しておこう→ 「(前略)…三段階審査は切れ味ではなく、愚直さを売りにした手法である。基本権解釈には、天賦の才は要求されない。誰も追体験できず、誰も検証できない自由な発想は、学としての法律学の進化にとっては重要なことであるとしても、個別事例の解決にはむしろ有害である。だが、事案の特殊性を見抜く感覚は必要である。その事案の特徴を無視した中二階、いわんや『およそ表現の自由は…』といった抽象的な規範のみで事案を切り裂くのはプロクルステスの寝台に等しい。…(後略)」