論文基本問題憲法120選 第2版補訂版

論文基本問題憲法120選 第2版補訂版

著:Wセミナー・新保義隆 版:早稲田経営出版 2008.6

論文基本問題120選 一応の建前上、新保先生が全答案を手直ししているということになっているので、答案表現や学説もそこそこ統一されている。一部で判例通説を批判して有力説に立つなど、新司法試験としては実践的でない面がある。
 学部試験、ロースクール入試、司法試験、公務員試験など各種論文試験対策に有効。「1.目で見る論点」「2.論点の流れ」「3.答案作成上のアドバイス」で答案作成に必要な知識を整理。典型的な問題の典型的な答え方を、統一感のある解答例でマスターするための本。まず見開き2頁で問題とシンプルでビジュアルな解説。ページをめくって見開き2頁で参考答案という構成。とにかく問題数が多く、論点の網羅性とコストパフォーマンスに優れている。Wセミナーのスタンダード100と比べると論点解説が見やすく充実している。完全無欠の教材というものは存在しないので、余白への書込等で対応しよう。
 どんどん読み進められるので、類書の中では使いやすい本。第2版補訂版では、新判例や学説の動向に合わせて問題と答案の差し替えがなされた。

 

論文基本問題120選 Wセミナー はしがき

(新保義隆・Wセミナー 編著)

1.本書は、司法試験・公務員試験などの各種の国家試験の論文試験(記述式試験)対策のために編集された参考答案集である。

2.基本事項を理解している者でも、本試験あるいは答案練習会でいざ論文答案を書こうとすると相当難しい。法律学の論文答案は、各科目ごとに特有の論理展開があり、独特の表現・言い回しがあるからである。
 そうすると、初めて答案を各受験生にとって、まず模範となる参考答案を整理して、それを真似て覚える作業から始めなければならない。
 また、論文対策の勉強をある程度進められている受験生にとっても、参考となる答案を整理して、自分なりにに整理・消化する作業は必要となる。そうしないと、いつまでたっても自己流のままで点数が伸びない。
 ところが、巷の書店(本屋)で論文対策の参考書を立ち読みしても、挙げられた問題が偏っていて科目の全分野を網羅していなかったり、難解な内容・表現で 書かれているため本試験では到底再現できない答案であったり、さらには内容的に合格かと首をかしげる答案であったり、問題により論述パターンが統一されて いなかったり。とれも受験生にとって参考となる答案が紹介されていると思える参考書はない。
 そこで筆者が、典型問題を中心に国家試験に出題されそうな問題をできるだけ網羅し、受験生にとって参考となる答案を作成し、簡単な解説を施したのが本書である。

3.このような動機から、本書は、筆者による参考答案が中心となるが、次のような構成となっている。
 まず、①開いた左頁の最初に「2-3」といった項目分けで、体系順に問題を並べ、次に、②実践枠内に問題を掲載している。さらに続けて、③各問題につい て、見開き2頁を使い、答案を核にあたり理解の手助けになるよう、簡単な解説を施している。すなわち、順に、「1:目で見る論点」では、論点の流れが一目 でわかるように図示と流れの説明をし、「2:論点の解説」では、重要論点ごとに、図解や判例を効果的に示して必要最小限の解説をしている。「3:答案作成 上のアドバイス」は、答案を作成するための簡単なアドバイスである。
 次の頁をめくると、見開き2頁を使い、オーソドックスな参考答案を掲載している。答案作成に際しては、十分な合格水準の内容であること(実際には、参考 答案の7割程度の水準でも合格と見てよい)、できるだけ簡単な表現を用いて論理展開が明確であることを心がけたつもりである。余白には、論点の流れがわか る項目を入れ、28字×88行、全部で2,464文字以内として4分割の点線ラインを入れるなど形式の工夫も施した。
 本書は、受験生の皆さんが文中にラインを引いたり、余白に書き込みをして利用されるなども想定しているが、各自工夫をして本書を利用していただきたい。
 なお、検索のため、本書の最初には「目次」を、最後には「事項索引」も掲載している。

4.論文式の答案を作成するときは、形式面と実質面を調和させることも重要である。優秀な答案とは、この調和ができている答案である。
 つまり、形式面とは、あらかじめ準備しておいた答案や論証を用いて、あらかじめ整理しておいた順序でわかりやすく論理を展開することである。この作業なくして合格は到底おぼつかない。本書は、この形式面の勉強を手助けするものである。
 これに対して、実質面とは、その問題のテーマや出題意図に即して答えることである。答案の作成はその問題に素直に正面から答える作業であり、出題者が特 に聞きたいテーマ・論点に比重を置いて答えなければならない。出題者の出題意図と答案の内容(視点)が一致したときに優秀な答案となる。どんなに素晴らし い内容であっても、聞かれていない解答であれば、合格どころか減点されるだけである。
 したがって、本書の参考答案を、どんな内容の問題にも強引にそのまま再現すればよいというものではない。問題の出題意図に応じて、試験の現場で、答案構成、論点のバランスを考えた答案を自ら作成しなければならないのである。

5.  受験生の皆さんには、以上の趣旨を踏まえて、本書を最大限に活用し、ぜひ試験に最終合格していただきたいと切に願っている。

弁護士 新保義隆