新会社法100問 第2版

新会社法100問 第2版

著:葉玉匡美 版: ダイヤモンド社 2006.11
立法担当者による100の答案現時点では貴重な存在会社法の受験参考書として最適まさに力作とても便利葉玉先生ご健在愛情たっぷりの一冊

新会社法100問 著者の葉玉先生は、昔LECで講師をやっておられ、法務省民事局付検事として新会社法の立法に携わるという経歴をおもちです。この本は、会社法立案担当者による過去問の解答例集ということです。
 新会社法が施行される、いよいよ新司法試験も始まる、だけど基本書は出そろっていない。過去問や問題集も当然ない。参照すべき文献さえなかなか見あたらない。そのような焼け野原状態にあった当時の受験界に、「新会社法100問」の初版が電撃的に登場しました。この本は、司法試験過去問・公認会計士試験過去問を題材としているので、弁護士・公認会計士等の実務家にとっても取り組みやすく広く読まれることとなりました。初版の登場以来、著者のブログに質問や要望が寄せられ、それらを反映して改訂第2版となりました。
 100問のうち、基本的かつ重要な制度説明を求める一行問題が新会社法下の基本理念や制度の理解を助けます。事例問題は短いが、解釈上の重要論点を含んだ問題ばかりです。昭和24年から司法試験過去問(第2版では新司法試験も一部含まれる)、昭和56年以降の公認会計士試験過去問の主要なものに、完全解が付されている。答案は冗長かつ説明的で、そのまま論文試験に使えるいわゆる「論証例」の類ではない。また、批判的に捉えられている最高裁判例(近い将来に判例変更を余儀なくされるのではないかといわれているもの等)の立場や立法担当者の立場を自説として論証している部分は注意が必要。今は書籍も充実してきているので、ホットな争点については補充したほうがよい。
 第2版からは1200問の一問一答式の知識確認問題がついている。色のチェンジと択一問題つきという衝撃的改訂よって多くの受験生が買い換えを余儀なくされました、さすが「商」法の世界ですね(^_^;)

新・会社法100問 葉玉匡美/編著 はしがき

 

会社法立案担当者の会/著 ~論点を明示した充実の「条文索引」付き~

 会社法立案担当者の会は、平成17年7月に成立した「会社法」の立案担当者の有志が集まって結成した私的な研究会です。会社法は、裁判官、検事、弁護士、公認会計士、他省庁所属の公務員、元司法試験予備校講師など様々なバックボーンを持つメンバーの寄り合い所帯で立案作業が行われたのですが、会社法の成立に伴い、メンバーは三々五々に散っていくことになりました。その際、互いに永遠の別れを告げるのも、一抹の寂しさがあったことから、有志で集まって、会社法を囲みながら、何か世間のお役に立てるようなことをしようということになり、当会が結成されました。

 本書は、当会の活動の第一弾であり、裁判官、弁護士、公認会計士、司法書士、企業の法務部等会社法の実務に携わっている方と、そうした実務家を目指している学生・受験生を対象にして、立案時に私たちが頭に描いていた会社法の基本的な考え方を伝えるために企画されたものです。

 私達は、仕事柄、そうした実務方の方から、よく会社法の質問を受けるのですが、例えば、私達が「資本金を0円まで減少しても、株式の数は減りません」「役員賞与やストックオプションには報酬の決定決議が必要です」「消滅会社が実質債務超過のときでも、存続会社の株式を発行してもかまいません」等と説明しても、質問者が勉強した時代の商法の常識が邪魔になって理解に時間を要することが多いように感じられます。

 たしかに、会社法の改正点だけを解説した文献は多数ありますが、それらの改正点に加え、ここ数年の商法の改正点を織り込んで、具体的な問題に対して会社法がどのように適用されるのかを示した文献は、ほとんど見あたりませんから、会社法に関する知識の抜けや誤解があったとしてもやむを得ないように思います。

 そこで、私達は、改正点についての個別の説明よりも、会社法に関する代表的な100の問題に対して会社法を適用した場合の答えを提示することにより、各種制度の基本的な理念や条文の適用関係を説明する方が、会社法の現在の姿を理解していただく一番の近道であると考えました。

 このように本書は、実務家及びそれを目指す者を対象にしていますから、会社法の条文の解釈について争いがある場合には、①最高裁判例があれば、原則としてそれに従い、②最高裁判例がない解釈論については、関連する最高裁判例との整合性を図りつつ、下級審判例や実務上の取り扱いに従い、③会社法の制定やそれ以前の商法改正により、判例の見解が、会社法の解釈としてはもはや維持できないと考えられる場合には、立法趣旨を踏まえた解釈を行っています。もちろん、裁判所の将来の判断は予測できませんし、本書の解釈が法務省の公式見解というわけでもありませんが、回答にあたっては、当会のメンバーで協議した上で、実務上最も妥当性が高く、かつ、体系的に一貫性のある答えを採用することとしました。

 また、本書で採用した問題は、司法試験・公認会計士試験にオリジナルの問題を加えたものです。このような問題を選んだのは、
 ①試験問題は、これまで実務で問題となった事例や、実務上関心のあるテーマについて、応用性の高い形式で問いかけをしている
 ②法律実務家の多くは、資格試験を受験したときに論文試験の過去問を検討したことがあるので、そのときに勉強した者と同じ問題について、会社法による解答を知ることで、自分の過去の知識をどのように変更しなければならないかを認識することができる
 ③資格試験の受験生、法科大学院生、大学生にとっては、論文試験の解答の仕方の参考になる(なお、受験生については、巻末の「本書を使った勉強法」を必読のこと)
 という理由によるものです。

 なお、当会のメンバーには、司法試験・公認会計士試験の試験委員は一人も含まれておらず、メンバーは、本試験の正式な回答や採点基準など全く分からないまま、かつ、休日に貴重な家族サービスの時間を削りながら、答案を作成しましたので、重箱の隅をつつくような論点は書いていない場合がありますので、その点はご了承下さい。

 本書が、実務家や実務化を目指す皆様にとって、会社法の理解の一助になれば幸いです。

    会社法立案担当者の会
代表 葉玉匡美(法務省民事局付検事)

 巻末文 「本書を使った勉強法」(参考のため一部抜粋)

 1.元司法試験予備校の講師として、本書を使って会社法を勉強する受験生に、ちょっとした勉強のコツを教えたい。
 一目わかるとおり、本書に掲載した解答例は、実際の試験でそのまま書くには長すぎるものがほとんどである。
 これは、本試験の問題は、同じ問題がそのまま出題されることはなく、一問の一部をクローズアップしたり、逆に、複数の問題を一問にまとめたりして出題することが多いので、どうせ過去問の勉強をするのならば、応用が利くような形で勉強してもらいたいという親心に基づくものである。
 親心は、時として子供の反感を呼ぶので、この長い解答例がどんな思想のもとに作られているのか、そして、どんな勉強をすれば、論文試験で合格点がとれるようになるのかについて、真意を理解してもらうため、この一文をしたためる。

2.結論から言えば、私は、受験生が論文試験で合格点を採るためには
  ①オウムの力
  ②キリンの力
  ③サイの力
 の3つの力が必要であると考えている。「何をおかしなことをいってるんだ!」という怒号とともに座布団が飛んでくる前に、その3つの力について説明しよう。

(1)オウムの力
 オウムの力とは、問題文の末尾を
・・・(中略)・・・・

・・・(中略)・・・であり、本書が、その能力をつけるためのトレーニングの道具になれば、私達としても書いた甲斐があるというものである。