論文基本問題 商法120選 第3版 著:新保義隆 Wセミナー

論文基本問題 商法120選 第3版 2010.4 

 

論文基本問題120選 司法試験・公務員試験などの各種の国家試験の論文試験(記述式試験)対策のために編集された参考答案集。この本だけで典型論点の大半はつぶすことができ、基礎力養成に良い。問題数が多いので、論点の網羅性とコストパフォーマンスに優れている。典型的な問題の典型的な答え方を、統一感のある解答例でマスターする。
 体裁も良く、まず見開き2頁で問題文とシンプルかつビジュアルな解説。「1.目で見る論点」「2.論点の流れ」「3.答案作成上のアドバイス」で答案作成に必要な知識を整理。入り組んだ論点は図表を使って整理するなどの読み進めやすい工夫もある。あっさりした解説だがこれでもスタンダード100と比べると論点解説は充実している。
 ページをめくると次の見開 き2頁で参考答案。答案は、一応の建前上、新保先生が全答案を手直ししていることになっているので、答案表現や学説もある程度統一されている。
 法律学の論文答案は、科目ごとに特有の論理展開が あり独特の表現・言回しがあるので、基本事項を理解していても、いざ論文答案を書こうとすると相当難しい。そこで、この本は、典型問題を中心に国家試験に出題されそうな問題をできるだけとりいれて、受験生にとって参考となる答案を作成し、簡単な解説を付してある。事例問題と一行問題が半々くらいでやや事例問題が多い。
 今回の改訂は、全体にわたる条文引用や表現の見直し、新判例や学説の動向にあわせた問題と答案の見直しと 解説の補充を施した。新保先生執筆の予備校本「基礎シリーズ」とも表現などの連続性がある。

 

論文基本問題120選 Wセミナー はしがき

 

(新保義隆・Wセミナー 編著)

1.本書は、司法試験・公務員試験などの各種の国家試験の論文試験(記述式試験)対策のために編集された参考答案集である。

2.基本事項を理解している者でも、本試験あるいは答案練習会でいざ論文答案を書こうとすると相当難しい。法律学の論文答案は、各科目ごとに特有の論理展開があり、独特の表現・言い回しがあるからである。
 そうすると、初めて答案を各受験生にとって、まず模範となる参考答案を整理して、それを真似て覚える作業から始めなければならない。
 また、論文対策の勉強をある程度進められている受験生にとっても、参考となる答案を整理して、自分なりにに整理・消化する作業は必要となる。そうしないと、いつまでたっても自己流のままで点数が伸びない。
 ところが、巷の書店(本屋)で論文対策の参考書を立ち読みしても、挙げられた問題が偏っていて科目の全分野を網羅していなかったり、難解な内容・表現で書かれているため本試験では到底再現できない答案であったり、さらには内容的に合格かと首をかしげる答案であったり、問題により論述パターンが統一されていなかったり。とれも受験生にとって参考となる答案が紹介されていると思える参考書はない。
 そこで筆者が、典型問題を中心に国家試験に出題されそうな問題をできるだけ網羅し、受験生にとって参考となる答案を作成し、簡単な解説を施したのが本書である。

3.このような動機から、本書は、筆者による参考答案が中心となるが、次のような構成となっている。
 まず、①開いた左頁の最初に「2-3」といった項目分けで、体系順に問題を並べ、次に、②実践枠内に問題を掲載している。さらに続けて、③各問題について、見開き2頁を使い、答案を核にあたり理解の手助けになるよう、簡単な解説を施している。すなわち、順に、「1:目で見る論点」では、論点の流れが一目でわかるように図示と流れの説明をし、「2:論点の解説」では、重要論点ごとに、図解や判例を効果的に示して必要最小限の解説をしている。「3:答案作成上のアドバイス」は、答案を作成するための簡単なアドバイスである。
 次の頁をめくると、見開き2頁を使い、オーソドックスな参考答案を掲載している。答案作成に際しては、十分な合格水準の内容であること(実際には、参考答案の7割程度の水準でも合格と見てよい)、できるだけ簡単な表現を用いて論理展開が明確であることを心がけたつもりである。余白には、論点の流れがわかる項目を入れ、28字×88行、全部で2,464文字以内として4分割の点線ラインを入れるなど形式の工夫も施した。
 本書は、受験生の皆さんが文中にラインを引いたり、余白に書き込みをして利用されるなども想定しているが、各自工夫をして本書を利用していただきたい。
 なお、検索のため、本書の最初には「目次」を、最後には「事項索引」も掲載している。

4.論文式の答案を作成するときは、形式面と実質面を調和させることも重要である。優秀な答案とは、この調和ができている答案である。
 つまり、形式面とは、あらかじめ準備しておいた答案や論証を用いて、あらかじめ整理しておいた順序でわかりやすく論理を展開することである。この作業なくして合格は到底おぼつかない。本書は、この形式面の勉強を手助けするものである。
 これに対して、実質面とは、その問題のテーマや出題意図に即して答えることである。答案の作成はその問題に素直に正面から答える作業であり、出題者が特に聞きたいテーマ・論点に比重を置いて答えなければならない。出題者の出題意図と答案の内容(視点)が一致したときに優秀な答案となる。どんなに素晴らしい内容であっても、聞かれていない解答であれば、合格どころか減点されるだけである。
 したがって、本書の参考答案を、どんな内容の問題にも強引にそのまま再現すればよいというものではない。問題の出題意図に応じて、試験の現場で、答案構成、論点のバランスを考えた答案を自ら作成しなければならないのである。

5.  受験生の皆さんには、以上の趣旨を踏まえて、本書を最大限に活用し、ぜひ試験に最終合格していただきたいと切に願っている。

弁護士 新保義隆