民事法1・2・3 日本評論社 全3巻 編:鎌田薫 加藤新太郎 須藤典明 中田裕康 三木浩一  大村敦志

民事法1 総則・物権 第2版 2010.4 

民事法2 担保物権・債権総論 第2版 2010.5 

民事法3 債権各論 第2版 2010.6 

 

民事法1民事法2民事法3 GodJob!

 民法と民事訴訟法の両面から光をあてる。新司法試験を意識した極めて実践的な演習書。実体法と訴訟法が有機的に関連づけられ、理論と実務の双方から検証される。民法・民事訴訟法の研究者と実務家(司法研修所教官、裁判官)の共同作業により、「設問」「解説」「問題の背景」の構成で、より深く理解ができるよう工夫。

 

独習OK!
 法科大学院で「民事法総合演習」のテキストに指定されることが想定されている本ですが、所属するロースクールで採用されてなくても大丈夫。本書は独習用にも使えるように書かれています。「独習用」を謳うだけあってこの本はひと味もふた味も違います。判例の事案と判旨を載せて、難しい問いが並んでいるだけの多くのケースブック・演習書とは一線を画する。一つの事例を、理論と実務の双方から検証していく。解説がいちいち分かりやすく丁寧で、これまで点ですぎなかった民法と民事訴訟法の論点が、線によって有機的につながります。絶賛しすぎているが、これはマジ。

 

改訂第2版、「民事訴訟法手続と設問との関連一覧」がつきました。

 

 

民事法1・2・3 日本評論社 はしがき

 法科大学院が発足し、新しいカリキュラムの下で、新しい教育手法を用いた法学教育が開始された。新たな法学教育のあり方については、様々な観点から多様な提案がなされてきたが、従来の司法試験受験生の一部に見られた悪しき傾向-科目毎に整理された「論点」を丸暗記し、それを利用して手際よく答案を作成する技術を競い合うといった傾向-を排除し、事実に即して具体的な法的問題を解決していくために、必要な法的分析能力や法的議論の能力を育成すべきであるといった問題意識は、広く共有されるに至っている。

 実際に生起する複雑な事実の中から法的問題を発見し、その問題を適性に解決するためには、実体法と訴訟法の両車について専門的な法知識を習得するだけでなく、それらを有機的に関連づけて運用できるようにならなければならないし、理論的な視点と実務的な視点の両面からの兼掌も必要になる。これらは、法科大学院の民事法教育にとって必要であるばかりか、法学部における法学教育、司法研修所における司法修習、さらには法律実務家の継続教育にとっても重要な事柄であり、それを効果的に実現するための手助けとなる優れた参考書・演習書の発行が待たれていた。

 本書は、こうした要請に対して最良にして最適のかたちで応えようとしたものである。民法学および民事訴訟法学の研究者ならびに司法研修所教官などの経験を有する現職裁判官との共同作業により、民法および民事訴訟法の重要問題につき、「設問」を素材として、理論と実務の両面から「解説」を加えるとともに、広い視野からの「問題の背景」を付け加えることで、より深い理解をできるよう、工夫した。企画から刊行まで思いのほか時間がかかってしまったが、ご協力いただいたドリーム・チームといってよい執筆陣、練りぬいた「設問」、明快な「解説」、理論と実務の架橋の具体化として「問題の背景」という本書の特色を考えれば、生まれいずるための必要不可欠の時間であったといえよう。

 本書は、80人を越える大勢の執筆陣による共著であるが、その刊行にいたる過程は従前の類書とは少々異なっている。我が国におけるこれまでの演習書では、執筆者が自ら設問を作成することが多かったため、ややもすれば解説の書きやすさから逆算して設問が作られることもあった。これに対し、本書は、まず編者の側で、一年近い論議を重ねて、慎重に練り上げた。そして、各執筆者に対してきわどいコースにボールを投げ、次に各執筆者は各自の専門の立場からこれをフルスウィングで打ち返すという、真剣勝負の結果として生まれた。そうした知的格闘の痕跡は、夫々の解せtにおける事案の深い読み込み、周到な場合分け、迫力ある論理の展開などに、如実に見て取ることができるであろう。本書を利用するに際しては、解説の結論のみに目を奪われることなく、設問に挑みかかるこうした姿勢や態度こそ学んで欲しい。

 各巻の「設問」の配列は、おおむね民法の体系に従ったものとなっている。その結果、民事訴訟法の諸問題は、それぞれの「設問」に関連して配分され、必ずしも体系的なものにはなっていない。これは個々の論点の実際的な意味合いを理解するためには有益であるが、読者にはさらに体系的な理解も望みたい。本書で取り扱われる民事訴訟法上の諸問題は、3巻を通じて体系上主要なポイントのほとんどを網羅しているので、読者において本書を効果的に活用することにより、そうしたニーズも十分に満たすことができるであろう。

 本書が、法科大学院または法学部における「民事総合演習」等の教材として、また、学生・司法修習生・若手法曹・企業法務担当者などの独習用の参考書として、幅広く利用されることを期待する。

 最後に、本書の企画意図に共鳴され、多忙な中で執筆にご協力を頂いた執筆者各位および困難な編集作業にご尽力下さった日本評論社の加護善雄氏に心よりお礼申し上げる。

 2005年3月  編者一同