判例講義 民事訴訟法 第2版 著:小林秀之

判例講義 民事訴訟法 第2版 

 

著:小林秀之 版: 悠々社 2010.9

 

出版社による公式説明等(第2版)
平成20年(2008年)までの205判例を、1頁から4頁で解説。一貫した体系のもとに、関連項目を単独執筆者がまとめて執筆。判例の学び方と民訴判例の最近の動きを付して、判例の全体的把握に努めた。論点を明確にして、事実の要約には原則的に図を付した。裁判の流れ、判旨を紹介し、判例の法理を客観的に整理。判例を読むで対立点と問題点を鮮明にした。注に基本書の参照頁等を入れ、参考文献で重要な判例評釈を掲げて、発展学習に備えた。

 

悠々社。民事訴訟法の重要判例205。判例1つあたり1~3ページで解説する。百選と違うのは、たくさんの先生があれやこれやとバラバラな立場から解説するのではなく、一定の分野について当該範囲を守備範囲とされる先生が、単独で一貫した立場から解説されていることである。つまり、一つの学問領域毎に一人の先生が評釈を担当するので、見解の相違もなく体系にぶれがない。さらに、全体を通じて一つ教育方針が貫かれており、すべての判例が、論点→事実の要約→図解→裁判の流れ→判旨→判例の法理→判例を読むという形式を揃えている。

 

判例講義 民事訴訟法 発刊にあたって 小林秀之

 本書は、民訴法判例の学習書であるが、同時に民訴法全体についての知識も判例学習を通じて得られるように工夫した新タイプのテキストでもある。
 生きた法である判例の理解なくして、民訴法がどのように民事訴訟手続の中で実現されているか知ることができない。その意味では、他の基本法と同様、判例学習は民訴法でも必要不可欠であるが、従来の判例解説書は、多数の執筆者が加わり一人の執筆者が一つないし若干の判例しか担当していないため、全体としての統一性に欠け整合性のある説明に欠けるきらいがあった。
 本書では、原則として1つの領域は1人の執筆者が全部の判例を統一的に解説するという方針をとっているため(例外的に特別な事情から2人の執筆者の共著もあるが、2人がその領域の判例を全部共著で解説して統一性を保っている)、その領域の判例とその解説を読み進んでいけば、自然に領域全体の法知識も整合的に身につくようになっている。
 本書はまた、戦後の判例を中心に民訴法全体で205判例を収録しており、民訴法の学習に必要にして十分な数の判例を本書一冊で学べるようにしている。そのため、1判例の説明が原則1頁で、重要判例についてのみ2頁の構成にならざるを得なかったが、前述したように、1つの領域が1人の執筆者によって統一的に解説されているから、その領域の判例のどこかで十分な説明がなされるようになっている。同時に、可能な限り最大限の情報を盛り込むよう編集を工夫した。具体的には、判例自体は、「事実の要約」「裁判の流れ」「判旨」の順に読めば理解でき、「判例の法理」と「判例を読む」を読めば判例の位置付けや学説との関係が分かり、更に、判例学習を深めたい場合は、注と参考文献で背景事情を知り追加情報を検索できるはずである。
 2004(平成16)年からわが国でも法曹養成に特化した法科大学院が設立されることが確実な状況になってきたことから、判例を通じた法学教育の重要性がますます強調されるようになることは間違いない。その際、本書のような、判例学習を通じて法律全体の知識が具体的に身につく教育方法が一つの大きな流れになると思われる(判例数をもう少し厳選して説明を1判例につき数頁あてるような形にする必要は出てくるかも知れないが)。
 本書の執筆者には、主に学界の中堅の研究者でこれからの民訴法研究の中心になっていかれる方々に、その得意分野をお願いした。御多忙にもかかわらず、本書の編集方針に沿って短期間で御執筆下さったお陰で、本シリーズの第1陣として発刊できたことに深く謝意を表する。
 なお、他の法律とは異なる面がある民訴法判例学習の意義については「判例の学び方」を、本書企画時後(平成10年以後)の重要判例や判例全体の動向については「民訴判例の最近の動き」を参照してほしい。